10月25日ロームシアター京都でお披露目の記者会見が行われた。
源頼朝公が源氏再興を願い、千葉山・智満寺で自ら手植えされた
推定樹齢約800年といわれる頼朝杉。
倒木前には、国の天然記念物に指定されており、
静岡県島田市の地元の皆さんが幼少期なら慣れ親しんで愛されていた杉。
会見の中で、江里康慧仏師から面白い話が飛び出した。
頼朝杉を掘り進むうちに、何故か装束について気にかかり、
伝統装束に詳しい黒田装束店の黒田幸也装束司に相談にいくことに。
日本の伝統装束には位によりいろいろな決りがあり、宮中に参内する装束「袍(ほう)」にも。当初、白木で仕上げる予定を変更。
まるで源頼朝公の力に導かれたような感じがしたという。
今年1月の鑿入れ式から約9か月。昨日まで彩色を施していたとのこと。
人物像だから色彩を施すのかと考えていましたが、
時代考証の末に決まったとのこと。伝統工芸士の成せる技。流石です。
出来上がった頼朝公像は、どこか威厳が感じられるとともに、
お披露目を喜び、どことなくほくそ笑んでいるようにもみえた。