東横堀川の「水上さんぽ」体験 “なにわのパルテノン神殿”と呼ばれる阪神高速環状線下の東横堀川 大阪市の中心部を流れる土佐堀川と淀川の支流・木津川をつなぐロの字型をしている堀川のうち、東を流れるのが写真の「東横堀川」。南を東西に流れるのが、江戸時代に安井道頓が私財を投じて掘削した「道頓堀川」です。これらの堀川は江戸時代から明治はじめまで舟運として栄えてきました。明治時代には、これらの堀川が道路の役目を果たしました。車社会になり、交通の要所は舟運から陸運へと変化し、いつしか川と人は遠い存在に。東横堀川水辺再生協議会(通称:e-よこ会)の澁谷利兵衛会長は「幼い頃、東横堀川で泳いでいた」というから、驚きです。平成になり「商都大阪」から「水都大阪」へ。といわれるようになって“水辺を観光資源にしよう”という取り組みが始まりました。この10年、20年で水辺が美しく親しみやすい場所になったように感じています。 本町橋の東北詰にある「β本町橋」(ベータ本町橋)という公園施設をご存知でしょうか?2021年8月、シティプラザ大阪の向かいにオープンした公園施設で都心の水辺・公園を活かして「遊ぶ・学ぶ・働く・暮らす」ことをテーマに掲げています。白木造りの建物といえば、ピンとくる方がいるかもしれません。そこで「水上さんぽ」が体験できると聞いて、いってきました。 水辺ガイド・奥谷さんの先導で手こぎボートにのって出発! 午前中は、道頓堀川を案内していたという奥谷さん。 「ここは波が一番おだやかで、個人的にも落ち着く大好きなコースなんですよ」 と、ほほえみます。普段みなれたはずの風景が、数メートル下になるだけで違ったものに見えるのが不思議です。 東横堀川水門がある北へ。水位を調整する閘門(こうもん)があるため、波の影響を受けにくいらしくおだやかな川面です。カメラを向けると、この笑顔! よく食べに行くお店を水辺からみた風景―。写真左:石臼挽手打蕎麦の店「笑日志(えびし)」さん。お店の入口だけでなく、反対側も素敵でした。風味豊かなお蕎麦がおいしく、また訪れたくなります。写真右:水辺のテラス席が人気の手ごね国産牛のハンバーグがおいしい北浜サンド「アップリケ」さんも水辺から見るとこんな感じ。思っていた以上に水質がキレイで川面を渡る風が心地良かったです。 大正12年(1923)生まれ 本町橋(ほんまちばし) 出発地点を越え、南へ。「東横堀川にかかる本町橋は今年で111歳。大阪市内でもっとも古い橋なんですよ」と、橋の真下まで案内してもらいました。その先には農人橋があります。橋を歩いているだけでは気づきませんでしたが、立派な鉄橋だったんですね。3連の鋼アーチを、石づくりの橋脚で支える重厚な造りだと知り、ありがたみが増します。しかも、レトロでかっこいい!いつもの景色が違ったものに見えた水上さんぽ。e-よこ逍遥のイベント期間中とあって、冒険気分をお得に体験することができました。主催のe-よこ会のみなさんにも感謝です。 「水上さんぽ」体験は、定員:1ボート6名まで 料金は1名1,650円です。くわしくはβ本町橋までお問合せください。